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ケレン味あふれるブログを目指します。

【スプーン入れろや・・・!】コンビニのアジア人スタッフにおける諸問題と、僕たちの「これから」。

事務所の近くにコンビニがある。

頻繁に行くため、

もうすっかり店員さんとも顔なじみだ。

おばさん、おじさん、お姉さん、お兄さん。

 

「お疲れ様です!」

「行ってらっしゃい!」

みたいな感じで、常連ならではの

マニュアル一歩先の接客をしてくれる。

 

とっても気分がいい。

タバコも2個買おう。

 

しかし、それは日中までの話。

 

22時を過ぎるとやつらがやってくる。

そう、グローバルスタッフ

(from ASIA諸国)だ。

 

いつの頃からだろう。

中国人店員がまず増えたのは覚えている。

 

ここ数年顕著なのは、東南アジア人スタッフ

爆発的増加だ。どうやら、

ベトナム

ミャンマー

〇ネパール

などからの留学生が激増していることが

原因らしい。

 

しかし、それにしても多い。

深夜のコンビニは基本2人体制だが、

どちらもアジア人だ。

 

紹介しよう。

 

グエン(仮名)※ベトナム出身  写真はもちろんイメージです。

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グエンの鬼出勤ぶりはすさまじい。

ほぼ毎日いるといっても過言ではない。

 

つまり、深夜に必ず1回は行く僕とは、

毎日顔を合わせるわけだ。

今、僕が一番頻繁に会っているのはグエンだ。

 

グエンにはいろいろ悩まされてきたので、

その一端を紹介する。

 

①スープに「箸オンリー」事件。

寒い冬には暖かいスープ的なものは欠かせない。

だいたいいつも買うのだが、

事務所に戻って来て袋に入っているは、

まさかの「箸」のみ。

 

この時は、グエンが入ったばかりの頃で、

僕も100%信頼していたため、

「あ、これは箸で食べるスープだったか。」

と思って、普通に食べようとした。

 

「どういうことだ・・・。何の手応えもない‥・。」

そのスープには、ほぼ具が入っていない。

そこでやっと気づく。あいつが間違えたんだと。

 

今さらスプーンをもらいに戻れない。

もう、グイ飲み するしかない。

 

僕がグエンを初めて「意識」した瞬間だった

 

 

②フランクフルトにケチャップなし事件

先ほどのスープの件は、

しょうがないのかもしれない。

「日本人=箸のやつら」

というイメージがあるだろうし、

何よりグエンは入ったばかりだった。

 

難易度の高いミッションだったと言える。

 

しかしこのフランクフルトは違う。

 

ケチャップのないフランクフルトなんて、

ただのむき出しの肉棒である。

 

これはさすがに戻ってクレームいれるか・・・。

と思ったが、仕事で追い詰められて時間が

なかったし、何より面倒なため、

「もう、どうにでもなれ・・・!」という思いで

一気食いした。

 

すごく人工的な味がした。

やはりケチャップは偉大だ。

 

③タバコ事件と初めての「対話」。

このような事件が度重なるため、

グエンに正直いら立っていた。

なんかあったら言ってやろうと思っていた。

 

そんなある日、いつものようにタバコを

買おうとした時だった。

 

僕「マルボロボックスください。」

グエン「・・・・・?」

僕「マルボロボックスを・・・」

グエン「タバコ?」

 

いきなりタメ口できやがった。まあいい。

 

グエン「番号デ(言って下さい)。」

僕「23番!」

 

グエン「23・・・?」

 

番号もわかんねえじゃねえか!

こうなった以上、もうグエンを

遠隔操作するしかない。

 

先生のようにタバコ棚を指さすグエンに、

「もうちょい下」

「もっと右」

「いき過ぎ、そう、それ!」

 

やっとタバコを手に入れた時、

僕の怒りはピークに達していた。

もういいかげん文句言ってやろう。

 

 

と思った時だった、

 

グエンは笑った

なんとも言えない優しい顔で。

 

なんか「やり遂げたね‥・!」みたいな。

「楽しかったね!」みたいな顔だった。

 

いやいや、違うだろと思ったが、

僕はその顔を見た瞬間に、

怒りが一気にひいていくのと同時に、

初めて気づいた。

 

こいつ、

全然悪気ないんだ・・・。

 

僕たちは、ささくれ立っている。

僕「日本語、まだあんまりわからないの?」

グエン「ソウデスね。勉強中デス。」

 

グエンにとって日本は憧れだったらしい。

日本に留学するために一生懸命勉強したと。

兄弟の中では自分だけがこれた、

とグエンは誇らしげだった。

 

話してみると、なんともフレンドリーだ。

何より笑顔に嘘がない。

 

ー郷に入っては郷に従え―

 

日本で働いてるんだから、

日本人と同等のサービスレベルを。

そう思うのは当然のことだ。

僕も基本はそう思っている。

 

ただ、それがどれほど

生半可なことではないか

という部分は理解する必要があると思う。

 

僕たちに沁みついている

「お客様至上主義」は世界でも特殊だ。

基本、海外では友達感覚で接してくる。

 

 

それは、必ずしもマニュアルでは是正できない。

客を待たせてしまった時の、

「申し訳ない感じ」などは、日本人なら

体から勝手に出てくるものである。

早歩きだったり、表情だったりで。

 

それを、一発でできるようになれ、

というのは無茶だ。

 

じゃあ、サービス業をやるな、

というのも間違っている。

 

今、彼等がコンビニで多く働いているのは、

「日本人がやりたがらない」からだという。

賃金が安いとか、そんな話では当然ない。

コンビニの働き手不足は深刻だ。

彼らがそれをやってくれている。

そう捉えることもできる。

 

移民問題で世界中が紛糾しているが、

対岸の火事ではない。

労働人口が激減する日本にとって、

近い将来必ず直面する問題だと思う。

 

多様性を受け入れる、というのは

これまた簡単なことじゃない。

実は、日本人が世界で一番苦手かもしれない。

 

日本人は謙虚で勤勉だという。

しかし、その分「おおらかさ」みたいなものが

すっぽり抜け落ちているようにも感じる。

 

グエンとの対話を通して、そんな事を思った。

最近では、グエンがいるのが楽しみになった。

 

しかし、繰り返すが彼も努力はするべきだ。

 

僕はホットドッグを買うたびに、

グエンがケチャップを入れるかを確認する。

 

しかし、すぐ忘れる。

思いっきり怒る。

「グエン、またケチャップ忘れとるぞ!」

 

もうすっかり友達である。