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ケレン味あふれるブログを目指します。

話題作「カメラを止めるな! 」をネタバレなしでおススメする。

 

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この映画を一切のネタバレなしで語るには「内容には一切触れない」という方法しか有り得ないのは、観た人ならわかるはずである。

じゃあどうやって未見の人におススメするのか。

いろいろ考えて辿り着いた。そうだ、適性診断だ!

「こんなヤツ」は今すぐこの映画を観に行った方がいい。

4つ挙げる

 

➀面白い映画が観たいヤツ。

いきなり当たり前の話である。つまらない映画を観たいヤツはいない。

いるとしたらなんらかの関係者か変な人である。

この映画は「面白い映画」である。

もっというなら「スコーンと抜けのいい面白さ」がある映画だ。

簡単に言うと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」である。1だ。

バック・トゥ・ザ・フューチャーを観て、なにかしら啓示的に物事を考えだすやつはいない。とにかく「面白かったねえ!」と一緒に観た人に言いたくなる映画。

観た後に同行者と食べるハンバーガーが最高に美味しい映画。

それが「カメラを止めるな!」である。

 

➁「伏線回収ありき」の映画に飽き飽きしてるヤツ。

この映画の大きな特徴は伏線回収にある。内容を語れないのも当然ここが理由になる。しかし声を大にして言いたいのは、「カメラを止めるな!」の魅力はそこじゃない。

正直、観る前の自分は、

「どうせあれでしょ。おーなるほど、

こういうことだったのかー、みたいな映画でしょ。」

と思っていた。最近多くないですか、そういうの。

漫画でも漫才でも、ある時期から急に増えた気がする。正直、食傷気味である。しかしこの「カメラを止めるな!」は違う。伏線の回収が目的化していない。「なるほど」と思うのとほぼ同時に「爆笑」がやってくる。そしてその笑いすら、この映画の重要な主題を表現するための手段に過ぎない。素人ながら「作劇の巧みさ」というのはこういうことなのかと、今でもビックリしている。

 

➂「深い人物描写」とかもういいよ!と思ってるヤツ。

映画を酷評する時の批判ポイントとして

「人物描写が一面的で陳腐である」というのがある。

評論家と、小賢しめの「自称」映画通からたまに聞こえてくる。

悪人のなかの葛藤や、清濁合わせ持ったヒーローなど、そういう描写じゃないと人間を表現したことにはならないらしい。

 

でもこう思う人もいるんじゃないかと思う。

「そういうの、別にいらないんだけど…。」

人間が多面的で矛盾した存在なのは、自分と周りの人間で充分わかってるよと。別にそこを映画で毎回表現してくれんでもいいよ、と。

 

「カメラを止めるな!」には多くの登場人物が出てくるが、

その描写は類型的、つまり思いっきりステレオタイプだ。

「あーこういうキャラね」と、僕たちがよく知っている「型」にしっかりはまっていて、そこから大きくはずれることはない。(ほんとはいくつか例を挙げたいけど、それもネタバレになる)

 

だからこそ、超スピードの展開でも置いてけぼりをくらうことがない。

そしてこのスピード感は、この映画に絶対に不可欠な要素である。

 

④日常に情熱の炎を消された、もしくは消されかけてるヤツ

日常という名のフリーザー(冷蔵庫)という歌詞が昔あったが、日々生きることの大変さや、ことあるごとに立ちはだかってくる「現実」というやつは、そもそも持っていたはずの「情熱」を絶えず消しにかかってくる。非常にやっかいなものだ。ついにはその情熱を「持っていた」ことすらも忘れて、僕らは毎日を生きることになる。

スマートに、である。

まさに「型」にはまっていくわけだ。

つまり、型にはまっているのはこの映画の登場人物ではなく、観ている自分たちの方だと気付く。

前述した「笑い」は、全てが情熱を持って何かに取り組む人間たちの「滑稽さ」を表現するために用意されているものだ(と思う)。

 

彼らを通して、何かを呼び覚まされる感覚になる人は多いと思うし、

だからこそ、爆笑の涙のあとに、別の種類のホロリがくるという、

なかなか稀有な体験ができる映画、それが「カメラを止めるな!」である。 

 

 

事前の予告も評価も一切見ていないので、かなり主観的な解釈になっていると思う。主題も普通に間違っているかもしれない。

そして4つ出しておきながらアレだが、➀がある以上、全ての人におススメであるということだ。

  

 

ちなみに、先ほど親友に「観た方がいいよ!」とメールをしたら、

「あー、あのゾンビ映画ね。」と返ってきた。

 

すぐさま返信をしようとしたその刹那、

ギリギリで気づいて踏みとどまった。

「あぶねえ・・・これもネタバレだ・・・。」

 

そういう危険と常に隣り合わせの映画なので、

ぜひ早めに劇場でご覧ください。